ナチュラルケアグループチーム医療

チーム医療 - Team Medical Care -

当院では多職種連携による質の高い医療の提供を常に心がけています。

認知症や脳血管障害による廃用症候群から嚥下障害・経口摂取不良を来した患者さまへの食支援に力を入れ、管理栄養士・言語聴覚士・歯科医師で構成される食支援チームを構築していることや精神科・皮膚科往診等、多岐にわたる専門科介入により在宅に居ながらにして充実した医療資源提供を実現しています。

グループ全体や各クリニックでのミーティング・申し送り等、ドクター・コメディカル間で容易に意見交換できる場があり、グループ全体として統一した方針が各現場で効率よく反映されるよう風通しの良い雰囲気づくりを心がけています。

また、グループ内には様々な委員会が存在し、それらの任を各ドクターや事務職員に委ねることは個々人が主体性を持ってチームを牽引できることにも一役買っていると思います。

 

ここでは、主治医や往診医、各科医の話を、専門分野に分かれてご紹介します。

皮膚科

主治医

山田浩史Dr.

現職に就くまで高齢者の抱えるスキントラブルについてあまり認識していませんでしたが、在宅訪問診療を担ってみて、その症例数の多さや治療タイミングを逸することで思いがけない重症化をもたらすことを数多く経験し皮膚科診療の重要性を日々実感しています。

特に老人ホームやグループホーム、サービス付高齢者住宅等、施設での訪問診療を数多く手がける我々にとって疥癬等の集団感染を危惧する病態は大変注意を要します。ADLが低く病織も得られない患者さんにはついつい他院皮膚科への紹介受診を怠りがちですが、当院では皮膚科往診や送迎での当診療所受診が可能な環境を整備しているため、コンサルトの敷居を下げ、早いタイミングでの皮膚科専門治療介入に大きく寄与していると思います。

アドバイザードクター

皮膚科非常勤Dr.

内科疾患をお持ちの患者様ふくめ高齢者の方々は白癬から悪性腫瘍まで非常に多彩な皮膚疾患を生じます。中には緊急性を要する疾患もあり在宅医療でも迅速な対応が求められます。

またここ最近流行の兆しをみせている疥癬などは、私ども皮膚科医師が依頼に応じ迅速に訪問し検査・診断をしており、施設内での蔓延化を未然に防いでいます。それに加えて当皮膚科は日本皮膚科学会認定専門医が複数名在籍しており、皮膚生検や手術など幅広く処置・検査が対応可能かつ、難治な症例は専門医間での症例検討もしており、充実した診療体制になっておりますので、内科・皮膚科での総合的な医療が安心して提供可能です。

整形

主治医

当院では非常勤医師として働いていただいておられる整形外科ドクターですが、常勤医以上に活躍されておられます。われわれ訪問診療医はご高齢の方を診療していることが多く、整形外科的な疾患をもっておられる方も増えております。

変形性疾患で内服での治療に難渋する場合には、当院へ外来受診いただき関節注射等の治療や場合によっては往診いただくこともあります。内科医としては非常にありがたいことです。また、転倒等で骨折が疑われる患者様についても宮地先生との連携は大変スムーズで、当院を受診していただき骨折を認めた場合には入院・手術日等が決定され、ご本人・ご家族様への説明等もその日のうちに行っていただけます。

当院に入院されての治療であり、内科医として診療を継続することができ、いつでもご本人様の顔を伺うこともできます。

退院時の状況を把握することもたやすく、退院後の診療をスムーズに行えることのメリットも大きいです。入院中にも肢体リハビリテーションを行っておりますが、条件が許せば退院後の訪問リハビリテーションを当院で行うことも増えており、患者・ご家族様の安心を得られることで助かっております。

アドバイザードクター

整形外科医

生野愛和病院には、非常勤医師として火曜・木曜に勤務しております。勤務内容は、午前中が外来診療、午後からは病棟回診および訪問診療を行っています。在宅の先生方との接点は、在宅患者の転倒時等の骨折による手術や入院による重度褥瘡の管理、関節注射施注のための往診時など様々なケースがあります。

例えば在宅患者が転倒した時は、当院に搬送してレントゲン・CTにて精査を行い、骨折が認められる場合は入院し、手術を行います。その後、退院に向けてリハビリを指示して経過を観察し、在宅主治医と連携しながら在宅復帰を目指します。退院後は、主治医とバトンタッチをし、必要に応じて外来受診・往診等にてフォローしています。

他院からの転院とは異なり、在宅の先生方が主治医の場合は、内科的疾患や処方内容がすぐに分かります。また、内科の診療も継続いただけるため、安心して専門分野での治療に専念できます。今後も、ドクター間の良好な他科連携を維持し、患者様・ご家族へ安心できる医療を提供していきます。

精神科

主治医

神農雅秀Dr.

在宅医療において、患者さんのメンタル面のフォローアップは非常に大切です。せん妄や不穏状態となると御本人にとっても非常に辛いことが多くなり、また周辺の職員、家族、入居者の方々疲弊に繋がります。認知症やうつ病など様々な疾患で体調を崩される患者さんに対し、一般的な在宅医として、プライマリケア医として治療に難渋することは多く、精神科範囲の薬剤の処方は、副作用や治療評価の難しさに躊躇することもたびたびあります。そういうケースでは、藤川先生を始めとした精神科専門医による訪問をお願いしております。やはり「餅は餅屋」と言いますか、専門医による細やかな観察、傾聴、診断で、患者さんにとっての的確な処方、接し方を見出して頂き、患者さんのQOLに繋がるばかりか、我々に対応を示して下さるおかげで我々のスキルアップにも繋がっており本当に感謝しております。精神科専門医ならではの物腰の柔らかい話し方は患者様に大好評です。

アドバイザードクター

藤川昌典Dr.

精神科

初めまして。精神科医の藤川といいます。普段は光愛病院という精神科のみの病院で勤務しているのですが、このわたなべクリニックで精神科往診を始めて4年近くになろうとしています。その中で感じたことは、『プライマリケア』としての精神科医療の必要性でした。

これからの医療は病院から在宅へ、外来から往診への流れが生まれています。その最先端を行っていると思われるのが、往診に注力しているこのわたなべクリニックと思いますが、その中で如何に現場のニーズとして精神科を必要とされているかを痛切に感じます。刻々と増え続ける認知症患者への薬物調整と、現場のスタッフたちの不安や対応に関するサポート、そして高齢化して在宅や施設での往診治療を要するようになった統合失調症や気分障害、発達障害などへの治療やサポート、時には未治療の方が高齢化で生活破綻となり往診開始、その結果、精神科が必要と判明したケースもあります。正直、病院の中では出会わないケースばかりでした。

精神科病院の勤務医として、この在宅・施設でのプライマリケアでどれだけ精神科医療のニーズがあるのかを皆に知ってほしいと思います。そのためにも、わたなべクリニックで往診勤務をしていることはプライマリケアに携われるいい経験であり、新たな精神科医療の現場を教えてもらえたと思っています。

排尿ケア

主治医

高井俊輔 Dr.

下部尿路症状はさまざまな病因によって引き起こされます。そして、加齢に伴いその頻度は増すことも分っています。患者様はその症状により精神的苦痛、身体的苦痛を感じ、そしてQOLも低下していきます。そのため、高齢者の排尿ケアはQOL維持のためにも非常に重要です。排尿ケアは要因となる疾患の治療だけではなく、精神的・身体的ケア、リハビリ、食事など多方面からのアプローチが必要です。ですから、ドクターだけではなく、看護師、介護士、リハビリスタッフ等、多職種で患者様としっかり向き合う必要があります。当グループには泌尿器科、内科、精神科の専門医や経験豊富な看護師、リハビリスタッフが在籍し、介護士、ケアマネジャーの方との連携で患者様と向き合うことで、適切な排尿ケアに繋がっていると思います。

アドバイザードクター

神農雅秀Dr.

内科・泌尿器科 腎臓内科

排尿困難や頻尿など、排尿のことでお悩みの高齢者はたくさんいらっしゃるにも関わらず、「命には関わらない」ということで優先順位を低くされがちです。我々のグループは生命予後を延ばすことを最優先にするのではなく、人生を快適に過ごすことに重きを置いております。幸い我々のグループには泌尿器科専門医が二人いますので、他のドクターが対応に困っているような排尿障害のある患者さんについての相談を広く受けております。トイレ関連に対する「誤解」は患者さん・御家族の方だけでなく、施設職員・医療従事者の方々にもあることが多く、それが患者さんの不利益に繋がらないよう、一つずつ問題を見出して御納得頂けるよう説明することを心がけております。最近は持ち運びが容易なポータブルエコーを用い、残尿のチェックや前立腺肥大の評価など、在宅医療の場でもできるだけフレキシブルに対応できるようにしています。

また、尿道カテーテルを留置されている患者さんのうち、内服の調節やサポートなどでカテーテルを抜去可能となる方も少なからずいらっしゃいます。体に何かしらの管を留置することは御本人にとってはかなりの苦痛を強いられます。やむを得ない場合もありますが、可能な時はできるだけカテーテルがない状態を維持していけるよう色々工夫しております。どうしても留置せざるを得ない患者さんに対しても、できるだけ苦痛の伴うカテーテル交換の頻度を上げないように、カテーテル閉塞予防を様々な方法で行っております。

「何か排尿のことで気になることがある時はお気軽に!!」をモットーです!!

リハ

主治医

人羅俊貴Dr.

訪問患者さんの中には、パーキンソン病や脳梗塞後の後遺症などにより身体に痙縮や拘縮が見受けられる患者さんが沢山おられますが、そのような患者さんには、麻痺や痺れ、痛み等の症状があります。投薬だけでは十分な治療が出来ず、リハビリスタッフに介入を求めています。リハビリを併用していく事で患者さんの症状の緩和や改善に繋がることが多く、患者さんの満足度の向上に繋がっています。

また、普段我々が訪問診療するときは、患者さんが椅子で座っておられることが多いですが、在宅リハビリを依頼していた患者さんで、リハビリ中に不整脈が出現することに気づき早期治療に繋がったこともあります。

アドバイザーPT

渡辺立雄

麻癖や拘縮、痛み等は、「誤用(誤った使い方)」「廃用(使わなかった・動かさなかった)」 などによって、二次的に生じる障害や退院後急激に悪化するケープもあります。しっかり使って動かした方が良いのか、どう動かした方が良いのか、今は無理をしない方が良いのかなどを、ご利用者様の生活スタイルや家庭での役割なども考慮しながら、リハビリやアドバイスなどを行っています。

「入院している期問」より長い、退院してからの「お家での期問」をどう過ごすのかが、その人らしく、生活する為には重要になってくると考えています。

運動での血圧や血中酸素濃度の変化など、先生の往診時問内では評価し難い部分をご報告 出来ればと思っております。結果、私たちも先生方からフィードバックを頂ける事で、より良いリハビリが提供出来ております。

食支援

主治医

渡辺克哉Dr.

患者様の多くに嚥下機能の低下がみられ誤嚥を繰り返しておられたり、食事形態も不確かなまま継続されていられた状況がありました。しかしその評価を病院に行ってとなるとなかなか二の足を踏まれる患者様が多かった為、どうにか在宅での嚥下評価ができないかと訪問による嚥下チームを立ち上げました。

現在では歯科医によるVE評価のみならずSTによる嚥下リハ、管理栄養士による訪問栄養指導まで食支援の事を一体的にフォローできる在宅NSTを構築しています。

しかし訪問栄養指導が必要でも低栄養に医師が気づかないために介入まで至ってないケースが多々見られます。当グループとしましては採血時にCONUT値を算出できるようシステムの構築を進めました。

まずは簡易な評価を行い、実際に低栄養のリスクの高い方へは専門チームの介入をスムーズに行えるようにいたしました。

アドバイザードクター

星野真Dr.

歯科

NCグループの強みはなんと言っても同じグループ内に医科と歯科があることだと思います。在宅診療にあたる中で、その患者さんが「食べられるかどうか」ということは今後の治療方針を決めるのにとてもポイントになってきます。しかしその判断というのは医科から見た場合でも、歯科からみた場合でも主治医だけでは判断が着かないのが正直なところです。

食べるというのは、すなわち栄養を取ることであり、「食べる、飲み込む」という一連の動作において、療養中の患者様がしっかり噛んで誤嚥なく飲み込めているか判断するのは、歯科医、飲み込んだものが栄養となって吸収され、その栄養が足りているかどうかを判断するのは医科の先生。

要介護高齢者は、様々な要因が重なり、経口摂取を続けるのが難しくなります。

嚥下内視鏡検査における診断時も、内科的疾患や、タイプ別の認知症の所見などをもとに診断しますが、同じチームにすぐに相談できる医科の先生がいることは歯科医の私にとってもとても心強く、まさに在宅医療における医科歯科連携の形だと思います。

検査

主治医

山田浩史Dr.

在宅訪問診療では利用者の多くが要介護高齢者であり、自身での病院受診が困難なケースを多く経験します。そのため病状悪化時に受診の手段やタイミング、適応について主治医としても判断に苦慮することが度々あります。

在宅訪問診療において各種検査が行えることは急性期疾患の除外や専門科受診の必要性について評価する上で大きな判断材料となります。また、慢性疾患について当院での検査followで定期通院を回避でき治療を完結できることも少なくありません。

当院では各種エコー検査等の訪問検査が大変充実しており、かつ迅速に対応してもらえるため、利用者にできるだけ負担をかけず安心して暮らしていただくことの一助となっています。

アドバイザー技師

松原弘幸

ここ最近は在宅医療を望まれる高齢者の方々が増加しつつあります。

そこで当グループでは充実した在宅医療を提供して安心していただくために検査部門を設置し、専門的知識を持った技師による訪問検査(主にエコー検査)を行っています。

例えば、中には慢性疾患をお持ちの患者様も多いため、病態の変化によって急性期治療や専門科受診の必要性の有無を、早期に的確に判断し、迅速にフィードバックし、診療部門と連携を密にしてチーム医療に参加することに努めています。

今後も活躍領域を広げながら、さらなる在宅医療の充実を目指しています。

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